Aiy-yue-kwee’ Nee-kee-chue!
皆さんこんにちは、
亜希ダウニング(aki_downing)です!
カリフォルニア州のネイティブアメリカン”ユロック族”に嫁ぎ
先住民の土地でのびのび楽しく暮らしています!
さてみなさん、10月の第2月曜日は祝日なのですが、、、
なんの日か知っていますか?
【Columbus Day(コロンブスデー)】
と最近までは言われていた祝日。
しかし今、各地で名称の変更が行われていて
【Indigenous Peoples’ Day(先住民の日)】
となっています。
今回はその歴史と、名称変更の経緯についてのお話です。
- 在米セキュリティカウンセラー
- オンラインコミュニティ『LinkUp』代表
- 岩手県陸前高田市国際姉妹都市サポーター
- 翻訳者・逐次通訳者
- Webライター・Webデザイナー
- 在米セキュリティカウンセラー
- オンラインコミュニティ『LinkUp』代表
- 岩手県陸前高田市
国際姉妹都市サポーター - 翻訳者・逐次通訳者
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”コロンブスデー”とは
この日、多くの銀行・債券市場などの公共施設は定休日となり、企業や学校もおやすみとなります(州や自治体によって異なる)。
ヨーロッパ人にとって偉大な探検家、”コロンブス”
しかし、
もともとアメリカ大陸に住んでいたネイティブアメリカンにとって
彼の航海は
”終わりの始まり”となる悲しい歴史の幕開けだったのです。
”コロンブスデー”の問題点
ネイティブアメリカンにとって物議を醸す祝日
【Columbus Day(コロンブスデー)】
アメリカ人の多くが、”1492年にコロンブスがアメリカ大陸を発見した”と学びますが、これ、実は間違いだったのです。
コロンブスが到達したのはバハマ諸島のサンサルバドル島。アメリカ大陸には足を踏み入れていなかったとされています。
さらに、彼よりも先にヴァイキングがアメリカに上陸したことも分かりました。
そしてなにより忘れてはいけないのが、アメリカ大陸には、何万年も前から先住民族が住んでいること。”新大陸発見”という言葉はあくまでもヨーロッパから見たものでそこに住んでいた先住民の存在が無視されていること。
それらも問題となり、変更に至ったのです。
ヨーロッパ人との接触は、ネイティブアメリカンに壊滅的な被害をもたらし、人口・文化・言語、そして膨大な土地が失われました。
最初に接触してからたったの130年で、アメリカ先住民は人口の約95%を失ったのです。
コロンブスや彼のようなヨーロッパからの探検家を讃えることは、アメリカ先住民が過去に経験した壊滅的な損失や、現在まで続く人種差別を無視することになるということで各地で名称変更されるようになりました。
英雄?殺人鬼?
コロンブスというイタリア人航海士は英雄的探検家でしょうか?極悪非道な殺人鬼でしょうか?
その答えは
あなたが誰に質問するかで変わります。
イタリア系アメリカ人にとっては”英雄”
アメリカ先住民にとっては”殺人鬼”です。
この問題はアメリカ国内でもとても長い間議論が続けられています。
アメリカで生まれ育ってきた多くの”非ネイティブアメリカン”たちは、”学校で習ったアメリカ史=真実の歴史である”と信じてきました。しかしアメリカの学校やメディアがこれまで伝え続けてきたコロンブス像は
2020年を境に”賢明で勇敢な探検家”から”残忍で非人道的な殺戮者”となったのです。
あの”Black Lives Matter”運動が活発になった際には、デモによって全米各地のコロンブス像が破壊・撤去されました。
ニュースでもかなり取り上げられていたので記憶に新しいのではないかと思います。
アメリカはどう変わるべきか
まず教育者である先生や私たち保護者は、コロンブスについての美談の物語をどのように教えるのか考え直す必要があると思います。代々語られている”侵略者目線”の物語では、コロンブスが先住民に与えた壊滅的な影響が省略・軽視されているからです。
多くの学校が歴史を教える際に、ネイティブアメリカンについて正確に説明できていないこともわかっています。幼稚園から高校までの学校教育では、アメリカ先住民が過去にしか存在しなかったかのように教える傾向があるそうです。
実際、アメリカ史を教えている学校の先生でさえ”ネイティブアメリカンは絶滅している”と思っている人が少なくないというから驚きです。
ネイティブアメリカンは現在も存在しているのです。
私の旦那、息子も娘も、周りにいる家族も友達も正真正銘の”ネイティブアメリカン”です!!
名称変更への抗議活動
名称を変更することに、全てのアメリカ国民が賛成している訳ではありません。
2021年、ニュージャージー州パーシパニーの保護者は、先住民族の日を祝うという地元教育委員会の決定に抗議しました。
地域の意見が反映されていないこと、イタリア系移民の遺産を尊重していないこと。
そして、コロンブスについて悪いイメージを持つことへの懸念を挙げています。
これを受けてパーシパニーではカレンダーからすべての祝日の名前を削除し、祝日は単に「休日」と呼ばれることになりました。抗議活動によって、すべての祝日までもが変更されることになったのです。
さらにFacebookやInstagramといったSNSでは、ネイティブアメリカンの活動を妨げる動きをみせています。
意図的に投稿を削除されたりアカウントを凍結させられたり。。。
必死に訴えている声が消されてしまうのです。
それ故、ネイティブアメリカンたちは絶えず声をあげ続け、「私たちはここにいるよ!」と存在を示す必要があるのです。
私もこうして日本語でブログを書いて、少しでも彼らの活動を後押しできたらと思っています。
間違った歴史を教えない為に
日本人の親として、ネイティブアメリカンの親として、子どもにどう教えていけばいいのか。
”Head Start”(ネイティブアメリカンの幼稚園)の先生に聞きました。
2冊の本をおすすめしてくれたので紹介します!
社会学者で教育者でもあるジェームス・ローウェンの
【Lies My Teacher Told Me About Christopher Columbus(先生が教えてくれたクリストファー・コロンブスについての嘘)】
- Loewen, James W. (Author)
- English (Publication Language)
- 48 Pages – 08/12/2014 (Publication Date) – The New Press (Publisher)
そして歴史学者であるロクサンヌ・ダンバー・オルティスの
【An Indigenous Peoples’ History of the United States for Young People(若い世代のためのアメリカ先住民族史)】
- Dunbar-Ortiz, Roxanne (Author)
- English (Publication Language)
- 280 Pages – 07/23/2019 (Publication Date) – Beacon Press (Publisher)
こちらの著書はコロンブスのアメリカ大陸発見が先住民に与えた影響と、アメリカ建国における先住民の役割の両方を学ぶことができるそうです。
アメリカ国内の教育機関(幼稚園〜高校)では教わることのない内容です。
それから、私がインスタでフォローしている
【Illumi Native】という非営利団体もおすすめ!
Illumi Nativeの投稿では、先住民族の日について学ぶだけでなく、ネイティブアメリカンが数万年も前から続けてきた土地、空気、水を尊重し保護する方法を教えてくれます。
現在まで続く人種差別への問題提起など、ネイティブアメリカンが抱えている苦悩を知ることが出来ます。
これらの資料はすべて英語表記ですがネイティブアメリカンについてこれまでたくさんの資料を見てきた私としては”アメリカの真実の歴史を知るには英語の資料がいい”
これだけは声を大にして言えます。
絶対に英語の資料を参考にしてください。
日本語の資料は”ヨーロッパ人から見る歴史”が書かれていることがほとんどです。
アメリカの感謝祭についても、何年も前から新事実は語られているのに、日本語で書かれている資料やブログではいまだに「アメリカ先住民と宴を祝った」とされているものが多くあります。
正直、恥ずかしいです。
インフルエンサーやブロガーを名乗るのならば、しっかり最新の正しい情報を発信してほしいです。
間違った真実を知識として入れてしまう恐れもあるのでぜひ、英語で学んでみてください!!
※英語の資料にもフィクションが書かれている場合もありますので資料選びは慎重に!
\アメリカ感謝祭について書いた記事はこちら/
まとめ
この記事を読んでくださった方に「ネイティブアメリカンの味方をして!保護して!」と言いたい訳ではありません。
日本で受けてきた世界史の授業で学んだものが侵略者側から見て描かれた歴史だったため、多くの誤解をしていたんだと気付かされたのです。
なのでこれを読んでくれたあなたには
侵略した側とされた側の両方の視点で歴史を考えてほしい。
ただその一点だけです!!
一緒に正しい歴史を学んでいきましょう!決して白人を批判したい訳ではありませんのでご理解くださいね!
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