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最近よく聞く”平和ボケ”、アメリカ警察官の妻視点で思うこと

Aiy-yue-kwee’ Nee-kee-chue!

皆さんこんにちは、

亜希ダウニング(aki_downing)です!

カリフォルニア州のネイティブアメリカン”ユロック族”に嫁ぎ

先住民の土地でのびのび楽しく暮らしています!

安倍晋三元首相が銃弾に倒れました。

日本国内で、とても恐ろしい事件が起こるなんて。

正直、こんなことがあるとは誰も想像しなかったと思います。

義理の父はコスタリカに移住をしたのですがコスタリカでも緊急ニュースが流れ、騒然となったよう。※この半年後、義父はコスタリカで銃殺されました。

実は今、旦那は大きな事件を扱っているためFBIと一緒に仕事をしています。昨日、旦那の勤めている警察署の署長と、そのFBI捜査官からお悔やみの言葉を頂いたとき、なぜだか不思議と涙が出ました。

それほど、この事件は多くの日本国民の心をザワつかせたと思います。

そしてネット記事の中で頻繁に目にする

”平和ボケ”という言葉。

これについて、現役アメリカ警察官の妻でありネイティブアメリカンの母である私の視点でお話したいと思います。

この記事を書いた人
  • 在米セキュリティカウンセラー
  • オンラインコミュニティ『LinkUp』代表
  • 岩手県陸前高田市国際姉妹都市サポーター
  • 翻訳者・逐次通訳者
  • Webライター・Webデザイナー
この記事を書いた人
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  • 岩手県陸前高田市
    国際姉妹都市サポーター
  • 翻訳者・逐次通訳者
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もくじ

”平和ボケ”できるって素晴らしい

いきなり結論です。

私はこの”平和ボケ”という言葉をポジティブに捉えています。

ネットの記事やSNSを見ていると

「日本人は平和ボケしすぎている」

「平和ボケしているから海外を見習え」など

あたかも【平和ボケしていることは悪いこと】というような印象を受けます。

しかし、私はそうは思いません。

警察官という仕事

警察官という職業は、アメリカ国内にある仕事の中でも本当に危険が多く、その為仕事の無い日であっても常に気を張って過ごしています。

これについては以前記事を書いたのでぜひそちらをご覧ください。

我が家に”平和ボケ”はありません。

常に危険と隣り合わせ。

「いってらっしゃい」と言って、本当に無事に帰って来るのか、毎日毎日、祈るような気持ちで過ごしています。

警察官というだけで市民から嫌われ、警察官の家族というだけで標的にされます。旦那が仕事にいっている間、自分と子供の身は、妻である私が守るしかないのです。

銃の使い方も覚えました。

覚えただけではいざという時に撃てないので、「お前が撃たないなら相手が撃つんだぞ」と緊急時のメンタルの訓練もしています。どんな場面でどの角度から襲われるかシミュレーションも欠かせません。

”平和ボケ”しないということは

このようなことを常日頃からやるということ。

平和な毎日に慣れてはいけないんです。

最悪の状況を考えて行動する。常にです。

子供を学校に送り届けるほんの5分の道でもサバイバルナイフを持ち、3秒で取り出して戦えるよう備えているのです。常にですよ。出来ますか?

花火なのか、銃声なのか、聞き分けができますか?

そして就寝中に外から銃声が聞こえてきた時、”ああ、また誰かが暴れてるな”と思って寝るんです。「今日またあの町で死体の処理をしたよ」と旦那に言われて、”ふーん。またかぁ”と聞き流すんです。

皆さん、このスキル欲しいですか?w

これは”平和ボケ”と対照の位置にいると思いません?

こんな”危険ボケ”(というか分からないけど)いらないんですよ。

不審者を瞬時に見分けるスキル、銃声がわかるスキル、銃が使えるスキル。こんなの一般人に必要ない。

そして、そんなこと考えなくても日常を送ることのできる”平和ボケ”って素晴らしいことだと思うんです。

ネイティブアメリカンという人種

皆さんの中で、身内が殺された経験のある人、友達が行方不明になった経験がある人、親戚が自殺してしまった経験のある人はいますか?

うちの旦那はすべてあります。

理由は【ネイティブアメリカンだから】です。

ネイティブアメリカンの歴史についてはこのブログのメインテーマなので、何度も記事にしています。詳しくはそちらをご覧ください。

ネイティブアメリカンとして生まれ、アメリカの土地で育つ人に“平和ボケ”はありません。

家族は殺されるもの。

友達は行方不明になるもの。

親戚は自殺するもの。

そういうものが彼らの”当たり前”なんです。

義理の兄には子供が10人います。いとこには子供が7人います。別のいとこには子供が8人います。子沢山なネイティブアメリカンは多いですが、これにも理由があるんです。

【このうち誰かは命を落とすかもしれないから】

もちろんそれだけが理由ではありませんが、理由のひとつにはこういった事情もあります。

でも、こんな事情で子供を産むの、悲しくないですか?ネイティブアメリカンだって、そんな理由で生むことは望んでいません。

もし、日本人が”平和ボケ”しなくなったら、、、こういった悲しい事情で子供を1人でも多く産まないと、、、なんて思うのかもしれませんよ?

考えられますか?

自分の子供が殺されるかもしれないと思いながら、産んだ瞬間から子供の身を案じて過ごす。大変ですよ。。

我が家も、2月に娘が生まれてから、この”我が子にもしものことがあったら”という思いからアメリカ本土ではない別の地域に住むことも視野にいれて、何度も何度も旦那と話し合いを重ねています。

「危険だから日本から離れよう」と

人生の中で何度考えたことがありますか?

気候や異文化に触れたいからと離れたいという願望はあっても、治安や情勢を気にして別の国に移住しようなんてないと思うんです。

それって、素晴らしいことだと思いませんか?

まとめ

警察官の妻として

ネイティブアメリカンの母として

”平和ボケ”している暇はありません。

でもそれは1ミリも嬉しいことではなく

日々膨大なストレスを抱えて生きていくこと。

脳みそフル回転の毎日。

その為、アメリカの警察官の寿命はとても短いです。

警察官の家族の寿命も、一般家庭より短いんです。

”平和ボケ”しながら生きていける国に住んでいる

それは誇れることだと思うのです。

もちろんこれから先日本の治安がどうなるかはわかりませんが、なるべく長いあいだ”平和ボケ”できる日が続きますように。

最後になりましたが、

安倍晋三元首相のご冥福を心よりお祈りします。

義父の事件についてはこちら↓

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