Aiy-yue-kwee’ Nee-kee-chue!
皆さんこんにちは、
亜希ダウニング(aki_downing)です!
カリフォルニア州のネイティブアメリカン”ユロック族”に嫁ぎ
先住民の土地でのびのび楽しく暮らしています!
さて今日は”ハロウィン”と”ネイティブアメリカン”の話題。
かなりセンシティブな内容ですが、多くの日本人にも知ってほしい大切な話。
知らない間にだれかを傷つける事にならないように、ぜひ読んでみてください。
- 在米セキュリティカウンセラー
- オンラインコミュニティ『LinkUp』代表
- 岩手県陸前高田市国際姉妹都市サポーター
- 翻訳者・逐次通訳者
- Webライター・Webデザイナー
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- 岩手県陸前高田市
国際姉妹都市サポーター - 翻訳者・逐次通訳者
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ハロウィンで先住民のコスプレをするのはご法度です。
見出しの通りです!
ハロウィンで先住民のコスプレをするのはご法度です。
大切なことなので何度でもいいます。
ハロウィンで先住民のコスプレをするのはご法度です。
今この記事を見ているあなた!!絶対に忘れないでください!!そしてもし周りにネイティブアメリカンの格好をしようとしている人がいたら、今から読む内容を伝えて、止めてください。
その行為は【Racist(差別主義者)】とみなされます。
わかりやすいように”コスプレ”という言葉を使いましたが、この言葉を使うこともNG。
ネイティブアメリカン・ネイティブカナディアンが身につけているヘッドドレスやレガリア、羽や槍などは、それぞれの先住民のコミュニティで神聖な儀式をするときに使われます。それぞれの先住民たちにとって、その”Traditional Dress(伝統的な服装)”(と、ここでは表現します)は特別な意味があり、それを私達非ネイティブアメリカン・非ネイティブカナディアンが身につけることは、冒涜的な行為。
Respectに欠けた行為なのです。
近年アメリカ・カナダ国内でも議論されている
ハロウィンの時期になるとアメリカ・カナダ国内のあちこちで、最近ではニュースよりもFacebookやInstagramでこの話題がさかんに議論されています。
先ほどお話したとおり、この”Traditional Dress”は、ネイティブアメリカンとネイティブカナディアンがそれぞれの部族の儀式の為に身につけるもの。白人・黒人・ヒスパニック・アジア人等は身につけることはできないのです。
ネイティブアメリカン・ネイティブカナディアンも、このTraditional Dressは儀式の時のみ身につけています。日常的に着用している普段着とは訳が違います。
このヘッドドレスやレガリア、羽や槍を作っているのもその部族の血が流れている人しか作れず、男性が触っていいもの、女性が触っていいもの、きちんと理由があって、大切に作られています。
大量生産で工場で作られていいものではないのです。
日本国内でも過去に事件が。
これはネイティブアメリカン・ネイティブカナディアンの問題ではないですが、日本国内でも話題になった文化の盗用で例を出してみます。
- 2016年10月22日、横浜で行われたハロウィンコンサートにおいて「欅坂46」がナチス・ドイツの軍服に似たコスチュームを着てパフォーマンスをしました。これはSNSで大炎上し、海外メディアも取り上げてついにアメリカのユダヤ系人権団体「サイモン・ヴィーゼンタール・センター」が謝罪を求める声明を出したのです。これに対して所属の「ソニーミュージック」は「認識不足であった」とすぐに謝罪をしました。
- 2019年6月、アメリカのセレブタレント「キム・カーダシアン」が自身が立ち上げた補正下着ブランドを「KIMONO」と名付け世界中から批判が殺到。日本の伝統的な衣装である「着物」とまったく同じ名前であることからこのような騒動に。京都市長もキムに対して「Kimonoという名称を使う決断を再検討するようお願いしたい」と抗議の手紙を送っています。ロンドンにあるヴィクトリア&アルバート博物館が皮肉たっぷりに【着物は日本で16世紀から性別や位に関係なく着られるようになった衣装です。そして現在も日本の伝統文化に根付いています】と公式Twitterに投稿しました。
どの問題も関連して言えるのは”異文化に対する無関心”
これまで日本では”異文化を取り入れること”は寛容だったと思います。
しかし昨今SNSが普及した影響もあり、それらは一転して許されなくなっていっているのです。アメリカでは最近でもプロムというパーティでチャイナドレスを着た白人の女子高生がSNSで大炎上しました。
恐らくこのキムの騒動で怒りを感じた日本人が何人もいたと思います。ですが”ネイティブアメリカンの格好をする事”と”欅坂46ナチス問題”はキムの騒動よりもはるかに問題なのです。※ナチスについての言及はトピック違いなので避けます。
”文化の盗用”とは
ある民族の文化的要素を、その文化に属していない人たちが取り入れること。
この”文化の盗用”が大きな問題になりやすい時は、文化を盗まれた人と盗んだ人との関係性によります。搾取や大量虐殺などの暗い歴史があった時、世界中で大きな問題となるのです。
ではここで話をネイティブアメリカンの問題に戻します。”移民の国”といわれる国には、数万年も前から暮らしている先住民の人たちがいて、入植者が入って国を作るよりずっと前からその土地で暮らしていました。そして今も暮らしています。
ひどい迫害を受け”Reservation”と呼ばれる特別保留地に追いやられ、「今日からここがお前たちの土地だ」と勝手に住む場所を決められました。
子どもたちは親から離され、その土地の言葉を話すのを禁止され、日常的に虐待されます。
子供たちが寝泊まりをする寄宿学校では
【インディアンを殺し、人間を救う】が合言葉だったのです。
そして驚くのがこの寄宿学校、カナダでは1996年、アメリカでは1998年まで続いていたのです。※アメリカの寄宿学校は1934年に一度廃止されるはずでしたが政府が継続を決断しました。
たった数年前まで、そのような教育が行われてきたのです。
アメリカのコメディドラマ”フレンズ”をご存じでしょうか。フレンズの放映が開始されたのは1994年。この寄宿学校が閉鎖されるより前なのです。そんなに昔の話ではないのです。
たった数年前までアメリカ先住民はパスポートを持つことも許されていなかった。
ここで疑問が生まれると思います。
それがハロウィンのコスプレとどう関係があるのか
お答えしましょう。
まず、皆さんは”インディアン”と聞いて何を想像しますか?
- 頭に羽を付けている
- 動物の毛皮を着ている
- 火の回りを口に手を当てて声を出しながら踊る
- ドラッグや酒に手を出している
- 貧困
- カジノをしている
- 原始的な武器を使い白人を殺していた
これはすべて入植者が植え付けたイメージです。
”人間”として扱われていることはなく、別のジャンルのものとして扱われているのです。
「ピーターパン」に出てくるインディアンも「ポカホンタス」も、西部劇に出てくる馬に乗ったインディアンも。白人が描いた”ファンタジー作品”なのです。支配層によって作られた想像の生き物なのです。
植え付けられたイメージが先行して、本来見なければいけない問題が疎かになっているのです。
「別に差別する意図はないし、可愛いと思ってやってるだけ」「楽しく遊んでるぶんには問題ない」といった考えはもう通用しないのです。
BTSのメンバーが原爆のティシャツを着ていた時「デザインがCoolだからいいじゃん」「こういうファッションをするのも自由」と心の底から言えましたか?そこには過去大量に人が殺されたという歴史があります。それをファッションだから、イベントだからといって、その歴史は今日はなし!!楽しもう!!で済ませてはいけないのです。
世界には様々なタブーがある
ネイティブアメリカンのこうした”Traditional Dress”の問題もそうですが、顔を黒く塗る”Black face”やドイツの”ナチス”など世界には様々なタブーがあります。
異人種の文化や服装を取り入れる際、それが世界の誰かを間接的に傷つけることにならないか。その文化に暗くて悲しい歴史はないか。ぜひ一度考えてみてください。
ネイティブアメリカンだってハロウィンを楽しみにしています。同じようにパーティに参加します。
しかしそのパーティで、もし誰かがヘッドドレスを付けていたら、顔を赤く塗り”レッドスキン”にしていたら。楽しみにしていたハロウィンは一瞬で台無し。過去、先祖が経験した悲しい歴史がフラッシュバックするのです。
義理の姉が今日もこういう人たちに向けてSNSで意見を投げかけています。
そんな投稿を見て、私も今日このことを書こうと決めました。
長くなりましたが、素敵なハロウィンになりますように!
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