Aiy-yue-kwee’ Nee-kee-chue!
皆さんこんにちは、
亜希ダウニング(aki_downing)です!
カリフォルニア州のネイティブアメリカン”ユロック族”に嫁ぎ
先住民の土地でのびのび楽しく暮らしています!
さてMrs. Green AppleのMV「コロンブス」問題、
私のブログ記事、数日間にわたってたくさんの方の目に触れました。
たくさんの感想、ご意見をいただきました。
その中で、
「これは先住民目線ではない。釣りタイトルだ」
「先住民が実際にどう感じたのか書かれていない」
などのご意見があったので
そこの回答と、では実際にアメリカ先住民はどう感じたのか
書いていこうと思います。
まだ読んでいない方は先にこちらをどうぞ↓
- 在米セキュリティカウンセラー
- オンラインコミュニティ『LinkUp』代表
- 岩手県陸前高田市国際姉妹都市サポーター
- 翻訳者・逐次通訳者
- Webライター・Webデザイナー
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先住民目線とは
早速結論を言ってしまうんですけど。
あの記事は「コロンブスやナポレオンなどの人物についての歴史を先住民目線で解説します」という意味の記事です。
考察した記事ではありません。先住民側からみた歴史を解説した記事です。そう書いてるし。
なのであの記事は100%「先住民目線の」記事です。
途中途中で”先住民の嫁”であるわたしのチャチャは入っていますが、長~~~~い記事の9割がた先住民目線です。
「先住民の嫁目線じゃないか」と言った方々は、一体あの記事で何を読み取ったのでしょうか。「釣りタイトルだ!」と言った方々は、そもそも理解しようと思って記事を読まれたのでしょうか。
私はあの記事の冒頭でも「アメリカ先住民がMVを見た感想を言います」などとは言っていないんです。
なぜなら
事実と感情は分けて考える必要があるから
あの記事の中で私の旦那の感想を一言でも入れたら、感情に引っ張られてアーティスト批判をしてしまう人を増やしてしまう。私は決して”仲間”を増やしてアーティストさんの批判に加勢しようと思ってあの記事を書いた訳ではないからです。そうなることは避けたかった。
だからあえて、MVを見た旦那の感想を含めなかったんです。
他にもこんな理由があります。
日本とアメリカで違う意味
実は、あのMVが公開されて数時間後、旦那はあのMVについての英語の記事を目にし、実際にMVを確認していました。そしてそれを見た感想をTwitter(意地でもTwitterっていうタイプです)に上げています。
そのツイートもかなり多くの人がコメントや引用をしてくれました。
旦那はあのMVを見てこう言いました
So racist! I couldn’t keep watching it.
So sad and feel terrible.
ちなみに私はこの発言以降旦那とこの話題は一切口にしていません。表情、言い方、雰囲気、声色などから(触れるべきではない)と判断したからです。
で、これをそのままツイートしたのですが、この”Racist”という言葉に多くの人がネガティブな反応を示しました。
で、いろんな方と意見を交わして、わかったことがあります。
日本のRacistとアメリカのRacistで、意味が異なるということです。
アメリカ的『Racist』→そこに悪意があろうとなかろうと、差別的な発言・行為をしてしまう人。またはその言動。
日本的『Racist』→常日頃から差別心をもって行動している人
なので、この旦那の「So racist!」という発言でなぜか
「悪意無くやってしまった人に対して差別主義者のレッテルを貼るのはひどい!彼らはそんな人じゃない!」といった反応や「いやレイシストって言うのは言葉の暴力だろ。最低。」という、もうぐっちゃぐちゃに混ぜ込まれて変な方向に話が進んでしまったんです。
「傷ついたっていう方が暴力。それを言われたらどう思うか、言われた方の気持ちになれ。寄り添え」←これ実際言われたんだよwww
超ウケない?あれ、悪いの旦那でしたっけ?みたいなwww
やってしまった行動と、その人物を切り離して考えないといけなくて、その行為自体が差別的であったら、それはレイシストなんですけど、どうやら日本のレイシストは違うらしい。
旦那はアメリカに住んでいて、アメリカの感覚でRacistという発言をしたし、実際警察官でヘイトクライム法に引っかかる行為をした人は逮捕してきたし、そこにその人の”人柄”とか”日ごろの行い”とか関係ないんですよね。
でもどうやら日本では”人柄”や”日頃の行い”は関係あるらしいのだ。
日本に輸入してきて意味が変わる言葉多すぎねえかい。
リスペクトとかクレームとかテンションとかさあ!ったく。。。
まあそういうことが起こったので、防御策として前回の記事にはこの旦那の反応を入れなかったのです。
ちなみにうちの旦那、クリストファーって言うんですけど。
クリストファー・コロンブスから来てるんですよね。
分かります?この残虐さが。
アメリカ先住民は、ヨーロッパの”偉人”の名前が付けられている人もすごく多いんです。
そういう教育を受けているから。
まあこの話はまた別でしようと思います。
すごくすごく心が苦しくなる話なのでね。
”反応が見たい”というおぞましさ
まじでこれが1番きつかった、、、
無意識にセカンドレイプしてくる人!
(レイプって言葉いやだよねこの言葉もなんか別名考えてくんないかな使いたくないわ)
震災で被災した人に、当時の記憶を根掘り葉掘り聞く人いる?
性暴力の被害者に、そういう描写のある映画を見せて反応を見たいという人はいるんかい?
これのおぞましさが分からないのかい。
しかも「先住民に寄り添いたいとは思わないがただ反応が見たいです」なんて馬鹿げたことをいう在米日本人もいたり。
こわいよ。その思想。
で、これ結構悪意なく、これこそ悪意なくさらっとやってくる人いるのよ。
私、義父殺されてるんですけど、去年。
インスタのフォロワーさんでさ、アメリカで銃殺される事件があるたびに私にそのニュース記事DMで送ってくるひといてさ。。。
「こんにちは。また、こんな事件ありました。ひどいですね」って。
結構えぐいことすると思いません?????
でも、本人まじで何も考えてないんですよね。www
銃殺=亜希さんみたいな。
なんやねんその式!方程式でもねぇし!
こういう人が結構いるんだなっておもうと、その人たちの欲求を満たすためだけに旦那を生贄にしないといけないのかな。って気分になったんですよ。
でも、私が1番大事で守りたいのは旦那であって
会ったことも無いTwitterの人やインスタの人ではない。
そして残念ながらそういう同情してほしい欲が無い。
承認欲求もない。
だから入れなかったんです。
n=1でしかない
これ!まじでこれ!
私の旦那の反応がアメリカ先住民の総意ではない!!
ぶっちゃけあの記事を書きながら「あーなんだかバズりそうだな」って自覚あったんですよ。で、そんな中に”アメリカ先住民はこう思っています!”なんて書いたとしよう。信用がた落ちでしょ。
アメリカ先住民にもいろんな考え方の人がいるんですよ。
日本人はこう!って自分の意見言う時言わないでしょう。
私、卵焼きは絶対醤油なんですけど。
すし屋いったらとびっこ頼むんですけど。
お雑煮は透明なんですけど。餅は四角ですけど。
パイナップル入ってる酢豚ムリですけど。
軽自動車は走る棺桶だと思ってるからレンタカーでも乗りませんけど。
これ、全部主語「日本人は」ってしたら暴動起きませんか?
旦那のお気持ちをあの記事で書くことで得られるメリットが見つからなかったんですよ。
さっきも言ったけどアーティストさんを批判したい層に油を注ぐ気もしていたし。
私はアーティストさんには特に嫌な感情は無いし。(ファンの人には頭を悩まされたが)
なのでやめたんです。
先住民の反応は?
で!
やめたって言ったんだけど!!
数日かけて集めましたよ!!
でもこれもアメリカ先住民の総意ではないですよ!!
先住民をパートナーにもつ日本人の方のお力をお借りしました!
でも忘れないでほしいのが、パートナーが日本人の先住民はごくごく少数です。マイノリティの中でもマイノリティですので、正真正銘の先住民の意見は入ってないと思ってください。
アメリカ・カナダ・メキシコの先住民のパートナーの方からは以下の反応を頂きました。
※ちなみにこれは私が「ちょっと聞いてみて」と言ったわけでなく、皆さん私の前回の記事を読んでその感想をDMでくれました。私からムリに聞き出してはないですよ。
「ふーん」って感じだった。私は悲しかったけど、本人はそこまで反応なし。
結婚して間もないので、まだこういう問題を話し合える関係性ではない。(日本に住んでいた時期もあるので)気になるし、もしかしたら知ってるとは思うけど、自分からあえてその話題に触れることはしようと思わなかった。
とても怒っていた。SNSで情報が回ってきたらしい。歴史の勉強をしていないにしても、昨今のニュースは知っていると思っていた。
Speechlessだと言っていた。でも日本はアメリカの影響を強く受けている国だから仕方ないかもしれない。僕はバーベンハイマーの時はアメリカ人として”これはダメだろう”と思っていたけど、日本もこうやって歴史を軽視する側面もあるんだと思った。
日本語でしか情報を得られない人が多いのだから、仕方がない。コロンブスを称賛している日本語の記事が多ければそれが真実になる。アップデートしようとする人も少ないのでは。
こういうジョークは嫌いだ。
いやぁ。。。
本当にありがとうございました。
大前提ですが、どのご家庭も夫婦円満でいらっしゃいます。うちも含めて。そして、日本人の方がパートナーの部族に対しての理解がみなさん深い。同じようにパートナーの日本人に対する理解も深い。
だからこそこういうセンシティブな会話ができるんだなと思いました。
おひとり「まだ新婚なので聞けない」という方の気持ちもすごくわかりました。そしてその”配慮”こそ、無くてはならないものだと思います。自分が”聞きたい”という気持ちでなく、相手がそれをどう受け取るかを考えているからこそこの言葉が出たのだと思います。
私が先住民の嫁としてこうして生活できているのも、”先住民の嫁仲間”が同じように世界各地で応援し合える環境にあるからです。
彼女たちがいなかったらきっとやってけないね!
この場をお借りして、改めて普段のお礼を言わせてください。本当にいつも支えてくれてありがとうございます。(仲間は随時募集中!w)
まとめ
そんなわけで、この「コロンブス」MV問題についてはこれて終わりです。
いうても私も外野のひとり。
当事者であるアーティストさんたちも特にこの件に関してもうなにも言ってないのでね。
ただ何度も言うけど、アーティストさんのファンの方はくれぐれも良識ある行動を取ってほしいと思います。彼らを守ろう、擁護したい、という気持ちの表れなのかもしれないですが、結構逆効果ですよ。とだけ伝えたいです。
ではまた。
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